
「ウチの庭にホタルが出るよ」との話に「行きたい!」と強引にアポをとり、プラントベースドカフェAnandaのオーナー・ノリナさんの、南伊豆の家にお邪魔しました。
静岡市から2時間半、天城の山道をひたすら走ってナビにも表示されない住所を目指し、「ここで迷ったら雲助に襲われるに違いない」と思わせられる脇道を入り、たどり着いたのは広大な敷地に建つ一軒家。わーっと歓声をあげてしまう、地上の楽園です。
「あの山の尾根からここの柵までがウチ」と案内してくださる庭には、採れたばかりの梅。水にさらして、このあと梅干しになるようです。見回せば、あちこちに沢山のハーブと実のなる木々が植えられています。自然の実りを享受して暮らす様子は、無理がなくとてものびやか。たわわに実るビワや桑の実、ワイルドベリーなど、ハイと手渡されては口に運び、「ヘタや種はその辺にどうぞ(笑」と、とびきりのおやつタイムを満喫しました。
空が刻一刻とピンクに染まる様子を眺めながら、「ここ、飽きないですよね?」とご主人に聞くと、「それはもう!毎日が違って、毎日が発見です。昨日と同じ事ってないですからね、ルーティーンなんてないです」との答え。こういう暮らしが、原点なのだと感じました。「何かを育てて食べて、必要なものを買うだけの最小限のお金を得ること、それだけでいいです」とおっしゃるご主人の顔に、生活へのプレッシャーはなく、軽やかに柔軟に生きる様が伝わってきました。
今回のコロナ禍、自分の中の価値観が大きく変わった人も多いのではと思っていますが、何を大事にして、自分の軸をどこに置いて、どう生きるか、ここが大幅にクローズアップされた時間だったように思います。出かけず家にいる時間が長かったことで、自分が好きなことをもう一度思い出しました。暮らしを楽しみ、無理のない範囲で生きていく。それができれば充分だなと、今は感じています。
(そして、コロナに関しては、どうやらこれはまだ渦中であること、今後もっと世界は様変わりしていくようだと、根拠なく勝手に思っています)
陽が落ちてから、そろそろかな?と敷地内の小川へ降りると、ふわりふわりと舞うホタルが!デジタルなカメラも憚られる幻想的な空間に身を置き、時がたつのを忘れてしまうほど。心底リラックスした、贅沢な時間を過ごすことが出来ました。
週に2日過ごすこの家に、ノリナさんは「帰る」と言います。ここの暮らしのベースがあってこそのAnandaであること、ノリナさんの揺るぎない根っこを見せてもらい、ココロにひとつ宝物をもらったような気分で、カエルの大合唱を聞きながら南伊豆を後にしました。
ステキなお二人に感謝します。素晴らしい機会を、ありがとうございます!







